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 ――ミリュウは、夢を見る。
 ――瞼を閉じて、夢を見る。
 二人の兄ともう一人の姉のことは、思い出したくない。
 けれど。
 感謝はしている。
 素晴らしい先生であったティディアお姉様に対し。
 三人の兄姉は凄まじい反面教師として。
 一番上の姉はわたしのことを気にも留めない。いいえ、わたしだけでなく、誰の気持ちも気にも留めない。誰に対しても向けられていたのは全てを見下す冷たい瞳。己と己への賛美のみを愛する独善の瞳。
 二番目の兄の眼はわたしを見ながらわたしを見ていない。いいえ、わたしだけでなく、誰の姿も見ていない。誰に対しても向けられていたのは全てを値踏みする瞳。己の腹の肥やしを漁る貪利の瞳。
 一番上の兄は……忌まわしい。
 嫌いだ。大嫌い。
 幼心には理由も分からなかった、ただ、ただただ嫌な瞳。
 美しき未来の王? 女たちの熱狂は理解できなかった。
 誰もがあれを美男子だと褒めそやしていたけれど、わたしが知るのはおぞましい顔だ。
 未だ悪夢に見る。
 お姉様の。
 わたしの女神様の、その時はまだ世界で誰も知らなかった恐ろしさと共に。

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