「貴様ら! 分かっているか? あと二十日だ、あと二十日で『約束の日』が訪れる!」
「おお!!」
「本当に分かっているのか貴様ら! あの悪魔が我らの女神を堕落させる、忌まわしい『終末』がやってくるのだぞ!」
「おお!!」
「貴様らはそれを許せるか!?」
「許せない!!」
「そうだ許せない。許せはしない! 知っているだろう! あの下衆野郎、我らの女神を傷つけた! 我らの女神を刺したのだ! ああ、ティディアちゃん、どれほど痛かったことか、どれほど辛かったことか……。
しかもあのクソ野郎、治療は他人に任せっきりだったそうだ! 自分が刺しやがったにも関わらず! これが許せるか!?」
「許せはしない!!」
「そぉうだ許せはしない。許せるものか。それなのに貴様ら! このままそんな腐れ外道に我らの女神を奪われて良いと思うか!?」
「思わない!!」
「ではどうする! ティディアちゃんをニトロ・ポルカトの魔の手から救い出し、ああ悪魔に魅入られた憐れな姫君に目をお醒ましいただくには、どうすればいい!」
「排除!」
「誰をだ!」
「ニトロ・ポルカトを!!」
「そうだ、排除だ!! あのニトロ・ポルカトをティディアちゃんの前から消さねばならない!!」
「おお!!」
「ならばどうする! 殺してしまうか!?」
「おお!!」
「ばっかもーーーん!!!」
「ええーーー!?」
「確かに殺してしまうのは簡単だ。しかしそれではティディアちゃんを悲しませてしまうではないか! あの下衆に心を奪われたまま、あの野郎を殺せば、我らが女神の中であのニトロは永遠に生き続けてしまう! それで我らの目的が、ティディアちゃんの目を醒まし、悪魔の手から姫を守るという目的が、果たせるのか!?」
「果たせません! 隊長、我らが間違っていました!!」
「分かれば良い。分かればいいのだ、愛しい部下達よ。
だが、一体どうする。どうすれば女神の心にめり込んだ悪魔の手を、女神の心を傷つけずに抜くことができる?」
「…………」
「どうした、誰も案を出せぬか」
「隊長!」
「何だ、会員3号」
「ニトロ・ポルカトを脅し、ニトロ・ポルカトから別れを切り出させましょう!」
「ぬるい! そんなことで我らの目的が達せられると思うか!」
「思います、隊長!」
「え、なんで!?」
「言わせるのです。ニトロ・ポルカトの口から『我らに言われたから別れたい』と! 我らの脅し程度で愛を貫けないようなつまらない男を、高潔清廉心美しき我らの女神が御執心なさるはずもありません! 失望なさり、ニトロ・ポルカトへの興味を急速に失うはずです!」
「おお、それは妙案! 誰ぞ反対はあるか!」
【[ ―… ――…NoW……MeetinG…―― …― ]】
「あるか!?」
「ありません!!」
「
「聞こう! 会員3号! たった今より貴様は参謀だ!」
「ははっ! ありがたき幸せであります!!」