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2007年02月05日
覆面作家企画2・Cブロックの感想と推理
Cブロックの推理と感想です。
作品読んだ時のメモを手がかりに一致する方どこじゃとさまよい、掲示板に刻まれた文殊の智恵(一方的な答え見せっこ)も使ってどうにか推理終了。
分かっちゃいたけど。
難しい。
でも楽しーなー。
Cブロック:推理結果
C-01 魚の泳ぐ場所 : りかこ☆さん
C-02 流れ星との待ち合わせ : 叶儀シウさん
C-03 星になるよ : 麻国さん
C-04 星の砂漠 : 神光寺かをりさん
C-05 かくして塔は放棄される : 小沢イネさん
C-06 My Dear Starlet : ADあきらさん
C-07 カンブリアより愛を込めて : ブシィ=ナスカさん
C-08 のざらし : 高遠一馬さん
C-09 とある日、見覚えのある日常。 : くりさぶれさん
C-10 秋空の約束 : 碓地海さん
C-11 Floating : 佐木琴乃さん
感想と推理のメモは盛大にネタバレしてます。
続きを読むからどうぞ。
C-01 魚の泳ぐ場所
感想:
叙情的な、絵本を読んでいるような話。
無邪気な子どもの行動が楽しい。落ちてきた星を気にしながら、それと関係ありそうな魚を見つけながら、それより空腹に気を取られるところとか、ありありと目に浮かぶ。
そしてテディ可愛い。くしゃみて。描写はないけど、犬種何だろう。(個人的にはこういうのが浮かびました)
空を泳ぐ魚は自由気ままで気持ちいいでしょうね。いつも同じ場所でじっとしている星は、そうやって気分転換でもしたかったのでしょうか。それとも、主人公から逃げ出さないのは、主人公に会いに来たから?
……「パパ」が一文字も出てこないから、もしかして。
推理メモ:
読点でリズムを刻む。
変身願望? 自己投影? 内省的な表現が得意か、好み?
幻想的、叙情的。
犬のくしゃみを描写。犬、飼っている? 飼ってないと「くしゃみ」はなかなか出てこない気が。
予想 → りかこ☆さん 『硝子の靴。』
詩も書かれている。叙情的な話、また叙情的な文章、詩的な感覚も必要か。
ファミリーに、猫。(犬じゃないけど……どうかな)
作品は一人称がメイン。この作品も一人称。語り口に共通しているところがあるような。
C-02 流れ星との待ち合わせ
感想:
「金星灯し」、「空塗りの茜さん」。「天空職」。
ネーミングがいい! これだけで世界観をしっかりと作ってしまうのが凄い。
就職した会社の仕事に疑問を感じつつも、少しずつ自分の仕事に誇りを持ち始めた新人といった感じの主人公がいい。主人公の視点を借りて語られる「陽運び」の愚痴には、ロマン溢れる職名とその現実とのギャップに凄まじい現実感が。でもそれが読んでて楽しい。
二人の対照的なベテランとの対峙で、主人公の立ち位置やキャラクターが浮き彫られて、その後の彼の行動がまた心に温かく響く。
児童文学のような雰囲気の中で、読み切った後は爽やかな読後感。
新社会人向けのお伽話、といったら語弊があるでしょうか。
推理メモ:
基本的に文を「、」で区切っている。
少し冷め気味に世界を見ながらも温かい眼差し。
基本を押さえた文体、基本をしっかり得ている人の文体、の印象。
予想 → 叶儀シウさん 『zetona』
ホームグラウンドに神話があるとのこと。「月追い」で連想したのは、北欧神話の月を追う狼。
とすると、この世界観と神話の世界観はマッチする。
絵も描かれているので、茜さんの言葉にもつなげることができる。
文から受ける印象も外れはない、か。
C-03 星になるよ
感想:
サンタクロースをいつまで信じていた? というような、「嘘」と現実の境界線を揺れながら越していく子どもの姿。切ないような、寂しいような。
でも「嘘」は必ずしも嘘だけではできていないんですよねぇ。いや、いい先生だ。こういう先生に巡りあえたら幸せですね。
文体の選択がばっちり。タイトルからして「読み聞かせ」を聞いているような感覚。だからこそ、実際にはわりと負の部分が漂う背景もあるのに、この優しい作品世界がほころびないのかな。
無垢な妹への兄の感情も、話にスパイスを効かせてて良かった。
これから兄はまた妹を大事にしていくでしょうね。
推理メモ:
です・ます調。
無垢(イノセンス)の裏に残酷性あり。同様のテーマ流れているか。
予想 → 麻国さん 『聖者の行進』
無垢と残酷の同居する作品有り。(メモ一致)
共通しているところがありそう。
また、星・宇宙好きの様子。先生の活き活きとした話しっぷりにつなげられる。
C-04 星の砂漠
感想:
不可思議で、不気味さがありながら、大きなものを与えてくれる存在。二度は会えないモノとの交流に、恐れとも、希望とも、何ともいえない空気を味わえました。
死した星の魂が人になるとするならば、交流が行われているのはその転生の狭間。
そしてそこに住む主人公が出会った彼らは、世の理から離れているものなのでしょう。
最後まで文の裏側にあるような緊張感は彼らの存在のためか。想像してみると、物凄く開放的なのに圧し掛かってくるような圧迫感を持つ「砂漠」が常に傍らにあるからか。。それともお伽話の「禁忌」が主人公に課せられたからか。
ラストの「大人になった」には、主人公の物語からの離別も感じました。
推理メモ:
字下げ抜けあり。
感情吐露の部分は短くスピーディー。思い(理由)を畳みかけ→決意or断定が多い?
予想 → 神光寺かをりさん 『お姫様倶楽部Petit』
ファンタジーメインで、あとは文体・画面からの印象。
と、しょ、消去法。すいません!
C-05 かくして塔は放棄される
感想:
新しい時代の中で、「知」をむさぼる書生の横田君が活き活きと。
そして面倒そうに書生の相手をするちょっと偏屈がかった先生の独白が、横田君の無邪気さに対比して面白さが増している。この二人の、ちょっとおかしな関係もまた愉しい。
明治時代の先生と学徒の様子が、豊富な知識と作品の軽妙な調子とおそらくは作者さんの遊び心(「花粉がよく飛ぶ杉の木」とか)に彩られていて、楽しかったー。
これ、下手すりゃ理屈っぽく、もっと下手すりゃ野暮ったくなるだろうに、粋。溜め込んで閉塞していく知じゃなくて、開放的で創造されていく活気が気持ちいい。
お題の消化の仕方も、先生と書生の教養話にうまく絡めていてすごく好き。
ところで気になったのは『花粉がよく飛ぶ杉の木』。連想するのは花粉症だけど……もしかして作者さん、毎年春には苦労なさっているんでしょうか......
推理メモ:
犬好きか、犬を飼っているか、飼っている人が身近にいるか。(あごをかく)
文学系。習字も好きか。
作者さん、夏目漱石とか好きそうだなー。とすると「犬」出してきたのは、『猫』への対比か? ヒントを仕込んだ?
花粉がよく飛ぶ杉の木:花粉症?
予想 → 小沢イネさん 『コチと裏庭』
夏目漱石好き。(メモ一致)
ユーモアも溢れている。
オチの付け方も巧い。
趣味で絵を描かれる。漢字(文字)の美に通じるかな。
C-06 My Dear Starlet
感想:
ゲームのお約束をこれでもかとぶち込んだ冒頭から、タイトルを考えれば何か企んでいるんだろうなと読んでいたら……
そう来ましたか! サイバーホラーにつなげるとは。
ページ数を考えるとゲームのイベントのはしょり方はこれしかないんでしょうね。苦心されたか、それとも決め打ちでイベントをつなげていったか。設定ではもっといたであろうキャラの「出番がなかった」というセリフ、もしページ数が足りないから切られたとすると……せ、切ない。と、同時に、こいつら一体何人(何体?)いるんだと空恐ろしく。
ともすればゲームプロットを読まされているだけになりそうなところを、最後のオチで、視点を悩める両親に持っていったのが上手く効いていると思います。
オチ前の描写からすると、SFかな? 画面を見て操作するというより、意識ごとゲームの中に入り込む技術とかありそう。
推理メモ:
字下げ抜け有り。
タイトルでネタバレ。わざと?
ゲーム好きか、逆にほとんどやらないか。
SF多い人が第一候補か。
予想 → ADあきらさん 『Creative Infinity』
SFメイン。(メモ一致)
文体・画面からの印象も。
C-07 カンブリアより愛を込めて
感想:
あの……ウチワエビとムカデを足して割って平たくのしたような奴だっけアノマロカリス! えーっと(検索中)あ、ウチワエビは違った。
さておき。
アノマロカリスって凄い選択だなあ。確かに見た目のインパクト大有りだし、そりゃ主人公も泣きますわな。と思っていたら、ああ、もっと深い意味があったのか。
色んな意味で綺麗な話でした。なんのことだ? という冒頭から、最後に繋がる流れがしなやか。主人公の語り口も軽妙で、論理的、でも文中の言葉を借りるならニヒリストっぽくツッコミも洒落が効いている。
「よめ」さんとのやり取りには口元緩むなー。しかし「昔」の記憶が切ない。
前世がらみの話をこう扱うのも洒落てる。カンブリア紀まで遡るとは。太古の、「今の」僕たちから見れば奇怪な海中世界がほのぼの感じられて不思議です。
最後まで読んだ時、某映画のそれを連想していたタイトルの受け取り方が微笑ましく温かく変化。うん。愛だね、愛。
推理メモ:
文のリズムいい、一人漫才の感も面白い。
構成力高い。書き慣れている。
ニヒリズムで世界を捉えながら、奥底では愛情を持って捉えている?
ダブルミーニングとか、文中への仕込み好き? 「覚束ない」をうまく意味合い変えて捉えられるように使っている。
予想 → ブシィ=ナスカさん 『ダスヴィダーニャ』
作品の所々に共通性を感じる。
ドラゴン(動物)の緻密な描写(ツッコミ調)とかユーモアの感じとか。傾向? といっていいか?
C-08 のざらし
感想:
御伽草子の雰囲気。冒頭から一気に世界観に引き込まれました。
夜を浮かび上がらせる日本画的な情景描写から、しゃれこうべの描写への移行で気味悪さが倍増。
途中、語り手が変わって、また不気味さが。文体の使い分けがお見事。
まさに怪奇話。気色の悪さを口の悪い男が語るから、また心地悪さも大増量ですよ。この話で星を絡めるのは不吉な赤い惑い星だけかと思えば、もう一つ。それが出てきたことで、時代劇調の世界に急に未知の知的生命体の影が。
メインの部分を語る男の知ること以外は語られていないから、その女の正体は分からないけど……その毒はもしや死者を生き返らせるためだったのか。
想像の余地が残る、薄ら寒い話でした。
推理メモ:
メモ帳で書いてる? 「かつては~なくなっておりまし(改行)た。」この改行ミスはメモ帳使用によく見られる。
改行多い。
「魔女」の素材、普段はファンタジーメイン? フェイクで時代劇?
グロ描写丁寧。こだわりあるか。
予想 → 高遠一馬さん 『月蟾処』
ファンタジーメインかな。ホラーも多くある。(メモ一致)
和のホラーも。
大正時代の和物も。
C-09 とある日、見覚えのある日常。
感想:
終始落ち着いた文体で描かれる女性二人のやり取りが爽やか。
風貌幼く紹介されていた理緒から出てきた単語にまずびっくり。研究者? そしてSF?
それから人生の大きな転機を迎えた理緒の話への、彼女のお姉さん的存在の春の反応が可愛らしい。身近にこういう人がいると、そりゃ頼りたくなりますなぁ。
でも春はかわいい妹を奪われた感じなのかな。戸惑いながらも祝福し、しかし寂しさの覗く主人公の様子がなんだか切ないようなくすぐったいような、本当の仲良し姉妹の姉のような。
ぎこちなくやり取りされていた名前の理由が明かされたラストは、なるほど、と。
そして全くこちらで行われていてもおかしくない光景に、タイトルの意味が染みる。冒頭から続く日和良く、温かく。読後はほんわかと。
推理メモ:
風景描写丁寧。
髪型の描写に作者さん女性? 「ポニーテール」を使わず、描写で。最近はアップと言うと聞いたこと有り。が、それでは伝わりきらぬ、と考えた可能性有り。であれば、女性の可能性高し。あ、でも他のアップスタイルかもしれないか。それとも幼い感じでも理緒は実は活動的の暗示? んー。
文語と口語の混じった文体。
予想 → くりさぶれさん 『かふぇBreaktime』
風景・光景の描写丁寧で、その描写に共通性を感じた。
また、女性。(メモ一致)
C-10 秋空の約束
感想:
星座管理人と、のっけからインパクトの強い言葉。童話かと思えば、かなりの現実感。
さらに、早くも危機? それがどう話に関わるの? というところからまた別の方向へと持っていく。飽きさせない工夫か、展開が巧み。しかもくすりと笑えて、そして最後はしんみりする展開に持っていくのも巧い。
送り火ならぬ送り星空。悲しいながらも、美しい。賑やかな空は父そのもの……きっと素敵な父親だったんでしょう。主人公は父のことが大好きだったんでしょうね。でなけりゃ世界規模で決められることを違反することに、いくら脅されても簡単には協力できないでしょうから。
それにしてもこの世界。ふと思ったんだけど……本物の空がない? もしやこの世界は、空は昼も夜もドーム上の空に映し出されているのかな。そうだとしたら、プラネタリウムみたいな支部の役割も建物の形状もしっくり。や、空想ですね。蛇足蛇足。
推理メモ:
現代物を書き慣れていそう。
わりとシビアな作品世界観を持っているかも。世界の裏側には絶望、みたいな。
「エジマは俺。」と、閉じカッコの中に句点有り。フェイク?
予想 → 碓地海さん 『砂水』
現代物多し。(メモ一致)
企画没作品のエンディングとの共通性から。
C-11 Floating
感想:
現代物の幻想話。大人だけが見える世界に足を踏み入れた、という奇譚の風情。骨董屋の雰囲気が、不可思議な光景ではないはずなのに非日常を感じさせる。
人形の目玉に映る逆さの自分が「ここではない場所」に踏み入ったことを暗示しているよう。そして電車のガラスに映る自分を主人公が見るのは、それとの対比でしょうか。とすれば、「逆さ」に映る自分と時間の「逆周り」が共通しているのも面白い。
果たしてどこからが夢で、どこまでが現実だったのかはともかく、もし主人公が見た「夢」が宝石箱から出てきたからだとしても、そこから自分の日常を取り戻したのは主人公の力でしょう。
「夢」は単なるきっかけ。そのきっかけで自分を取り戻せた主人公は、それだけの「強さ」を元から持っていたんでしょうね。きっと頑張り屋だ。
宝石箱から出てきた一番大きなものが、自分の住む星というのもいいな。
推理メモ:
ゴシック調が好き? 骨董屋の描写が雰囲気ある。
異世界紛れ込み型が得意か?
情景での暗喩や暗示が好きそう。そこかしこに前後で関係ある単語や描写を散りばめているような。なんでもないような文に遊び心を入れている?
状況描写と心の声が入り混じる文体。
内省的。
……作者さんの経験談が少し? まったく想像とは思えないような。冒頭の『(そういう事は先に言っておくれよ、もうッ!)』とか。
予想 → 佐木琴乃さん 『Fruhstuck』
社会人を中心に置いた作品有り。この作品の主人公も、社会人。
であれば、このカラーにも手馴れていそう。
投稿者 楽遊 : 2007年02月05日 23:54
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