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2005年03月14日

左向きがち

絵心育成過程中気づいたこと知ったことメモ その2

人物画を何枚か書いているうちに、無意識的にか自然にか、人物の顔が「正面から左向き」になりやすいことに気づいた。
今は明確な意図を持たせたポーズを考えず、とりあえず思いついたポーズをひたすら描きながら「描く感覚」を掴むことを目的としていたんだけど、それだからこそ顔の向きが偏っていることに驚いた。

自分のクセみたいなものか。それとも何かの影響を受けているのか。
ちょっと考えてみて、思い当たったのは「利き腕」と「漫画」。

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「利き腕」については、むしろ腕の構造の問題かな?
僕は右手でペンを使うので、自由に線を書こうと思ったらどうしても右から左に動かしたほうがやりやすい。
これは肘と手首の可動域(関節の動く範囲)が外転より内転方向に大きく動くからってのも一つの要因だと思う。
つまり、腕を外側に捻るのは大変だけど、内側に捻るのは楽なのだ。
右手でペンを持って腕を内転させるとペン先の軌道は「右→左」となるので、これは「右から左に動かしたほうがやりやすい」ことと無関係ではないだろう。
だから、何も考えずにいたら自然と腕を動かしやすい方向に線を描きやすいんじゃないだろうか。
特に顔の向きには鼻の向きが大きくて、その鼻の曲線が利き腕の都合上「右→左」に動かしたほうが思うように描きやすいから、自ずと顔の向きが「正面から左向き」になったんじゃないのかな、と。
「正面」はペンを持った手を向こう側から手前に動かすため、外転も内転もなく描くこともできるから、あまり可動域は関係してこないように感じる。

ペンや筆の持ち方によっては腕の可動域の影響を受けにくくすることができるんだろうけど、あいにく僕はそれを知らないからなぁ。
立ち読みしたデッサンの入門書に載ってた鉛筆の持ち方を試してみたけど、机だとどうにもやりにくくて断念したし。
うーん、もっと調べてみるか。

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さて、「利き腕」が体の構造的な理由だとすると、「漫画」というのは感覚的な理由だ。
なんだろう。個人的な感覚ではあるのだが、描いているとき、顔や体が左向きの方が不思議としっくりくるし、妙に自然に感じられるのだ。
絵の中の人物に動きをつけたときも、進行方向としても左向きの方が進んでいる感じを強く受ける。
「利き腕」の理由で左向きに描きやすいから、そのためそう感じられるのだろうか。
でも待てよ。そういえば絵の関係でよく見るもので、左向きのものがあった。
「漫画」だ。

日本の漫画は右のページから左のページに進むようにできている。
これは縦書きの日本語の文章が左から右に進んで読むようにできているからなんだろうけど、この進行のルールは漫画の表現方法に一定のルールというか、規則とか制約とか定石のようなものを与えているだろう。

まず、漫画で勢いよくキャラクターが走っていく描写は、右から左に向けてキャラクターを動かしたほうが自然だと思う。
なぜなら、ページ進行の都合上、読者の目は右から左に動くからだ。
そのため、逆にキャラクターを右から左に向けて動かすと、左から動いてきた読者の目を一度止めて、また元来た方向に戻すことになる。特に走るシーンにセリフがあったりすると、文章を読むために必ず目は左から右に動く。しかしキャラクターの動きは右から左に向くため、結果として「勢いよく走りゆくキャラクター」から「勢い」を削いでしまうのではないか。
また、これと同じ理由で左から右にキャラクターを動かすと「進んでいる」感が強いのに対し、右から左に動かすとキャラクターが「向かってきている」感じが強くなると思う。
もちろん、コマ割りでこれがあまり関係しない場合もあるし、これを逆手に取った表現方法もあるだろう。
読んだことないけど、アメコミのように右から左にページが進行する場合は、ここらへんの法則とか感覚はまったく逆になっているんじゃないかな?

さらに、この『「進んでいる」・「向かっている」感覚』には、ページの作りにより目の進行方向だけではなく、物語(時間)も左に続いていることも上げられるように思う。
空間的な視点として各コマは独立していることが多いように見受けるが、物語(時間)は必ず左に流れている。これが、「進行方向は左向き」という感覚をより強めて、『「進んでいる」・「向かっている」感覚』を補強しているのではないだろうか。
そのため、キャラクターの多くは必然的に左(正面から左側)に向かう。そうすることで、目(物理)と物語の流れ(思考・心理)を左へと進ませる読者とキャラクターの感覚を、より同調させることも可能にしているのではないだろうか。
もちろんこれは「必ず」ではなく、「概ね」だ。だが「概ね」左を向きやすい以上、漫画の中で目にするキャラクター達は概ね左を向いていることが多くなる。
だから目が左(正面から左)向きの人物に慣れている。
目が慣れているから、描いているときにしっくりくる。
しっくりくるから、そう描いちゃってしまうのだ。

……ちと修正しないと人物画のポーズや描く感覚が偏っちゃうな。気をつけよう。

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これらがどこまで正しいかどうかは分からないけれど。
以上、考えをまとめるついでに。憶測論述。参考文献近くにあった漫画数冊。

投稿者 楽遊 : 2005年03月14日 23:39

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